2010年 02月 16日 ( 1 )

梅一輪

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仕事で島根県の山あいの小さな温泉へ。
飾りっ気がなく、鄙びた風情のある町。
とある旅館で取材をさせてもらった。

温泉街から少し離れた自然に囲まれた場所。
両親の代からの旅館を継いでいる主人は同年代で朴訥な方。
料理も素朴ながらも土地で採れたものを盛り込んできれいに料理されていた。

旅館について話を伺ったときも、「うちはそんな自慢できることはないんですよ。家族みんなで料理や布団出しや見送りをやることぐらいですかね。」とぼそり。
でも、見て分かった。
全部きちんとされていること。
建物は古いがきれいに磨いている廊下、料理の修業を積んだ主人、自分たちで作ったお米や野菜を出していること、庭にきれいに手入れされた盆栽。

今は言ったもんがちみたいなところがあって、自分のことや自分のお店をアピールする時代。知ってもらうこと表明するのは大切なこと。

でも、田舎の町を訪ねると、人のためや自分のためにいいことをしていても、それが当たり前でアピールする人は少ない。
新しいことを始めたり、誰もやっていないことをするのはすごいと思う。元からあるものを引き継いで次に伝えていくことは地味だけれど、慎ましやかにそういうことをやっている人ももっと評価されていいと最近思う。

今厳しい時代だけれど、この仕事を続けたいという主人。
もっと他の人にも知ってほしいと思った。


   梅一輪 一輪ほどの 暖かさ   服部嵐雪

ちょうど主人のお父さんが手入れをしていた庭に、梅が咲いていた。
こういうささやかなことが良いなと最近思う。
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by potari5 | 2010-02-16 08:40 | ひとりごと